Profile
現代美術家。1978年フランス・パリ生まれ。パリ国立高等美術学校卒業、2007年以降東京に拠点を移す。2014年東京芸術大学博士課程取得。「狂えるオルランド」や「ポリフィルス狂恋夢」などのヨーロッパの古典文学から「宇宙刑事ギャバン」や「ゼルダの伝説」までの幅広い熱中を持って、学識と大衆文化を混在させた多面的で総合な世界の創造者である。
1980~90年代、フランスにおける日本のポップ文化によって自然に影響を受け、幼い時から、アニメ、特撮、日本の漫画、ビデオゲームへの情熱を育む。大学研究を通して、中世、ルネサンスやバロックの古典作品を参考文献として学び製作する。”Serio Ludere”(真剣に遊ぶ)のヒューマニスト的概念に基づいている彼の作品には物語と視覚的な影響の融合が遍在している。
ニコラ・ビュフの作品は、ラ・メゾン・ルージュ、パリ(2007年)、東京都現代美術館(2008年)、パリ装飾芸術美術館(2010年)、国立中世美術館(クリュニー美術館)(2018-19年)、ヨーロッパとアジアの現代アートフェア等で展示されている 。2014年、原美術館にて個展「ポリ フィーロの夢」を開催。2018年、デザインを手がけたビル「Museum Garage」が マイアミ・デザイン地区でオープンした。同年末東京ではGINZA SIXの吹き抜け部大型インスタレーションを担当。2019年、フランス芸術文化勲章を受章。
ヨーロッパの古典美術、日本や米国のサブカルチャーの混合をちりばめた作品で知られる。
Photo by ImagenSubliminal (Miguel de Guzman + Rocio Romero), 2018
又、複数の創造的な分野を体験することも楽しむ。Craft Limoges (リモージュ、2007年、2010年)、Aubusson(オービュッソン国際タペストリー研究所、2010年、第一受賞者)、Sèvres(国立セーヴル磁器製作所、2016年~)等の文化機関と同時に、ファッションや高級ブランドの分野でいくつかのコラボレーションを開発した(Hermès, Comme des Garçons, Pierre Hermé, N2, 三越伊勢丹, ..)。「点と線」、「赤い靴」の公演(カンパニーデラシネラとのコラボ)の他、オペラの分野に2回も挑んでみた。パリ、シャトレ座公演オペラ「オルランド パラディーノ」(ハイドン、2012年、ビジュアルデザインの最優秀賞)、「イル・レ・パストーレ」(羊飼いの王様、モーツァルト、2015年)のビジュアルデザイン全般を担当した。2017年、パリの近くのセガン島に新しく建設された劇場「ラ・セーヌ・ミュージカル」のフロント・カーテンを作成した。デザインを手がけたマイアミデザイン地区の “Museum Garage”*という建築プロジェクトが2018年4月オープンして、新しい創造的な領域を体験している。*(project curated by Terence Riley, with WORKac; J. Mayer H.; Clavel Arquitectos; K/R)。2020年以降、メディコム・トイとのコラボレーション開始。